† of Ogre~鬼の心理
きっと思っていることだろう。「いったいどこから、根掘り葉掘り尋問してやろうか」と。

やがて、仁は、言った。

「ドリンクバー入れてきてやるけど、お前なにがいい?」

「……」

ドリンク、バー……?

いや、たしかに仁は自分の分と私の分を注文していたが……

「……はあ」

「あ? なんだよ? なぜ溜め息だ?」

「別に……、じゃあコーヒー、お願いするわ」

「よし。ちょい待ってろ」

仁はひょいと立ち上がり、ポケットに手を突っ込んですたすたと行ってしまった。

いや、仁は歩き方がだらしない。かつファミレスの床はカーペットのような敷き詰められている。その足音は、ぼす、ぼす、だった。

(なに、考えてるのかしら)

と思わずにはいられなかったが、そこまで深く気にすること、でもないだろう。

私をからかっているのか、それとも、私が尋問を警戒したことを察知したのか。

仁なら両方ありえる。いや、両方とも、正解なのだろう。

いずれにせよ、ここでか、もしくは家、遅くても明日の朝、あるが揃った時に訊ね尽くされるのは目に見えている。

少なくとも仁のことだ、絶対に、このままでは終わりではないだろう。そう考えると、多少なりとも肝が冷えた。
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