† of Ogre~鬼の心理
第四十二節
† 第四十二節
ケータイに表示されたデジタル時計。その時針に当たる部分が、0と表示していた。
つまり、ああ、深夜なのだ、今。
電話の向こうで、とても滑舌のよい「まったくもって」が聞こえた。仁の口癖だ。彼女はなにかにつけて、「まったくもって」と言う。よほどお気に入りのフレーズらしい。
ちなみに真輝ちゃんの口癖は「――のいとまさえ与えない」だ。いろんな時に、よく言ってる。
……って、そんなこと、どうだっていいか。
今回のこととは無関係、しかもこんな、しょうもないことを考えていた自分を苦く笑いながら、宙に向かって詫びた。
「ごめんごめん。まあ、そういうわけだからさ、明日の朝御飯は真輝ちゃんと一緒にどうにかしてね? 玉子焼きぐらいはできるだろ?」
返ってくるのはまた、「まったくもって」から始まる苦言だった。
ケータイに表示されたデジタル時計。その時針に当たる部分が、0と表示していた。
つまり、ああ、深夜なのだ、今。
電話の向こうで、とても滑舌のよい「まったくもって」が聞こえた。仁の口癖だ。彼女はなにかにつけて、「まったくもって」と言う。よほどお気に入りのフレーズらしい。
ちなみに真輝ちゃんの口癖は「――のいとまさえ与えない」だ。いろんな時に、よく言ってる。
……って、そんなこと、どうだっていいか。
今回のこととは無関係、しかもこんな、しょうもないことを考えていた自分を苦く笑いながら、宙に向かって詫びた。
「ごめんごめん。まあ、そういうわけだからさ、明日の朝御飯は真輝ちゃんと一緒にどうにかしてね? 玉子焼きぐらいはできるだろ?」
返ってくるのはまた、「まったくもって」から始まる苦言だった。