† of Ogre~鬼の心理
が、そんなものはどこ吹く風、もといまったく感知しない顔で、彼は苦笑する。

「聞いてくれよ東城さん。小原がさ、僕と東城さんが付き合ってるって茶化すんだ」

「そいつ、きっとバカね」

出てけ。

「うん。僕達そんなんでもないのにね? 東城さんも迷惑でしょ? 僕みたいな優男はね、モテないし」

「別に」

優男はアルで見慣れている。それよりも、出てけ。

「あ、こんなこと話す自体が迷惑かな。ごめんね、なんか僕ひとりで」

「そうね」

出てけ。出ていったら許す。

「でも誤解されるのもなんだしね。

もし小原がなにか言ってきたら、僕のことはうじ虫のようなもんだとでも言ってくれていいよ。そのほうがこっちも清々しいし」

「フジオカ、変なこと言わないでちょうだい」
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