† of Ogre~鬼の心理
第八節
† 第八節
アルからの忠告を聞いてなおさら、仁からお守りを受け取っておいてよかったと思った。
ポケットから引き抜いた紙切れには、幾何学模様と抽象化された漢字が書き殴られていた。
いや、書き殴られていたというのは私の見解で、実はその描き方にもすべて意味があるのだろうが……
猫に小判というか、紙切れの効能はわかるが、そこに記されたものの重要性、術式の構築についてはイマイチわからない。私の専門外だ。
とりあえず、これさえあれば、その厄介者に私のことは勘づかれないですむ――だろう。
仁の力が絶対信用できればの話だが……転ばぬ先の杖というものだ。
「なに、それ」
「!」
突然訊ねられ、私は思わず身を引いた。
紙切れをポケットへとしまう。
「ぃ、いきなり出てこないでちょうだい」
「あ、ごめんごめん」
先程あれだけ眼力を叩きつけてやったにもかかわらず、まったく相変わらずヒトの領域へ、しかも亡霊のように気配薄く踏み込んでくる風間に、数瞬確実に驚かせられる。
アルからの忠告を聞いてなおさら、仁からお守りを受け取っておいてよかったと思った。
ポケットから引き抜いた紙切れには、幾何学模様と抽象化された漢字が書き殴られていた。
いや、書き殴られていたというのは私の見解で、実はその描き方にもすべて意味があるのだろうが……
猫に小判というか、紙切れの効能はわかるが、そこに記されたものの重要性、術式の構築についてはイマイチわからない。私の専門外だ。
とりあえず、これさえあれば、その厄介者に私のことは勘づかれないですむ――だろう。
仁の力が絶対信用できればの話だが……転ばぬ先の杖というものだ。
「なに、それ」
「!」
突然訊ねられ、私は思わず身を引いた。
紙切れをポケットへとしまう。
「ぃ、いきなり出てこないでちょうだい」
「あ、ごめんごめん」
先程あれだけ眼力を叩きつけてやったにもかかわらず、まったく相変わらずヒトの領域へ、しかも亡霊のように気配薄く踏み込んでくる風間に、数瞬確実に驚かせられる。