† of Ogre~鬼の心理
護身用なのか……

ともあれ、そんなものを常備している女の身元が少し気になったが、それよりも、

「いつから気付いた?」

私の尾行に勘づいたことのほうが、遥かに評価できた。



相対して真正面から見れば、意外といい肉付きをしている。特に腰の辺りが扇情的。

今夜は当たりを引いたようだ。喉の奥が、食欲に乾くのを喜ばしく感じる。



女は、傘の柄と鋏、双方をグッと握り締めながら、私から逃げるタイミングを図っているようだった。

なんなんですか――そう訊ねてきたくせに、私がどういうものなのか、半ば予想しているらしい。

もっとも……

(お前の予想など、根本から外れているがな)
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