† of Ogre~鬼の心理

第九節

† 第九節



洗濯物を干し終わり、玄関の掃除を終えた。

久しぶりに家中を歩き回ったせいか、少し腰が痛いが……だからといってソファーで伸びているわけにもいかない。

冷蔵庫の中が尽きてきている。

アルの伝言を受けて自ら確認してみたら、たしかに今日の晩飯、あるいは昼飯まで持つかも判断しかねる量だった。

気だるさから、せっかくなら『箒』を使おうかとも思うが、契約と呪文が面倒くさい。風との契約はここ数年行ってないから――そもそも上手くいくかさえ微妙だ。

いや、それ以前に、ひょっとしたらもう契約はしているかもしれない。どっちだ? いかん。忘れすぎている。却下だ。

ならば使いを送ろうかとも思ったが……いやいや待て待て。どこの世界に、スーパーやらデパートへ鴉を送りつけるヤツがいる。

デパートに動物が迷い込んだだけでてんやわんやな世の中だ。買い物カゴなんか提げた鴉が現れてみろ。大騒ぎだ。

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