† of Ogre~鬼の心理
私のとっさの訊き返しを、彼は単に、よく聞き取れなかっただけと思ってくれたらしい。

が、実際はそうではない。

体の内側が、一部炭化?

苦くて不味い内蔵をしょっぴくために腹を掻っ捌いたことは認めるが、燃やそうとした記憶はまったくない。

第一、根本的な問題として、私に発火の能力などありはしない。

しかも、一部分だけとはいえ、炭化させるほどの火力とは――並大抵ではないだろう。

(私があの場を去ったあとに、だれかが手を加えた? 通報者より先に、いたずらでもした人間がいるのか。あるいは――)

可能性の低いことだが。

(私への――、なんらかのメッセージ?)

もしそうだとしたら、遺体を焦がしたヤツと、アルが感じ取った厄介者は、同一人物である可能性が高い。
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