† of Ogre~鬼の心理
第十二節
† 第十二節
終礼後、トイレに立ち寄ったり、部活へ顔を出すだけ出したりして時間をずらし、ほかの生徒より十分か二十分ほど遅れて昇降口へ行ったというのに、
「やっ、東城さん」
風間純は、そこで待ち伏せていた。
にこりにこりとした顔と、『彼』が数瞬ダブらないこともない。
が、風間の顔面には近々、ぜひとも鉄拳を食らわせてやりたいと、無性に駆り立てられた。
ローファーの爪先を蹴りながら、言葉に溜め息を含ませる。
「フジオカ、私とお前が付き合ってるって噂、誰あろうお前のせいで流れてると思うんだけど?」
相手の呼び方が無意識に『アナタ』から『お前』に変わった時は、黄色信号だ。
これが『貴様』になってしまったなら、もう間に合わない。
その時は、マキの登場だ。
終礼後、トイレに立ち寄ったり、部活へ顔を出すだけ出したりして時間をずらし、ほかの生徒より十分か二十分ほど遅れて昇降口へ行ったというのに、
「やっ、東城さん」
風間純は、そこで待ち伏せていた。
にこりにこりとした顔と、『彼』が数瞬ダブらないこともない。
が、風間の顔面には近々、ぜひとも鉄拳を食らわせてやりたいと、無性に駆り立てられた。
ローファーの爪先を蹴りながら、言葉に溜め息を含ませる。
「フジオカ、私とお前が付き合ってるって噂、誰あろうお前のせいで流れてると思うんだけど?」
相手の呼び方が無意識に『アナタ』から『お前』に変わった時は、黄色信号だ。
これが『貴様』になってしまったなら、もう間に合わない。
その時は、マキの登場だ。