† of Ogre~鬼の心理
コンビニの屋上から跳び、次の建物の屋上へ着地した。

と、そのすぐ脇に、ゴッ、となにかが着弾する。

無論、着弾したものは見えもしない。

振り返れば、壁を横から抜けてきたヤツが、追撃を仕掛けてきていた。

どうやら、こちらには必要性のない戦いも、ヤツには不可欠なのかもしれない。

(まったくもって、厄日だ厄日! 今日は厄日だ!!)

心中の愚痴は、口には出さない。

ヤツに聞かれたら、こちらが少なからず焦っていることを悟られる。

そもそも、まったく、どこの世界に買い物袋を提げて戦う魔法使いがいるというのだか。

準備もない俺が、いったいどれだけの芸当ができると思っているのか。

まったくもって、甚だしい。

追いつかれては、どんな攻撃をされるかわからない。

実際、ヤツが手を振るたびになにをこちらへ撃っているのか……感覚で捉えているだけだから、本質はまったくわかりもしない。
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