† of Ogre~鬼の心理
第十四節
† 第十四節
空気を震わせる轟音に顔を跳ねあげさせれば、空を赫灼の華が彩っていた。
「うわ、なんだあれ。見てよ東城さん、なんかすごいよ」
「そうね」
感慨も薄くうなずく。
同時に探りを入れてみると、街中のいたるところに仁の気配を感じた。
一番強い気配は、今空に咲いた紅蓮のそばから、緩い放物線を描いて落下していた。
吹き飛ばされたんだろう。
(なんだって、こんな街中で)
あんな魔法を使えば、アルの言っていたヤツに居場所が知れて――
はたと気付く。
(そうか。そいつと遭遇したから、使ったのね)
必要性のない逃げられる戦いなら、迷わずに相手へ背を向ける。
逃亡に全力を注ぐ。
ルール
それが私達の生活だ。
その生活を一時でも破ったということは、
(戦う必要性があったか、戦うことを余儀なくさせられる相手というわけか)
空の爆炎にざわめく周囲に、風間も変わりはない。
あの炎なら、バス一台程度は粉々に吹き飛ばせるというのに……
遠目に見えているだけとはいえ、その怖さを知らない現代日本の、なんと平和なことか。
空気を震わせる轟音に顔を跳ねあげさせれば、空を赫灼の華が彩っていた。
「うわ、なんだあれ。見てよ東城さん、なんかすごいよ」
「そうね」
感慨も薄くうなずく。
同時に探りを入れてみると、街中のいたるところに仁の気配を感じた。
一番強い気配は、今空に咲いた紅蓮のそばから、緩い放物線を描いて落下していた。
吹き飛ばされたんだろう。
(なんだって、こんな街中で)
あんな魔法を使えば、アルの言っていたヤツに居場所が知れて――
はたと気付く。
(そうか。そいつと遭遇したから、使ったのね)
必要性のない逃げられる戦いなら、迷わずに相手へ背を向ける。
逃亡に全力を注ぐ。
ルール
それが私達の生活だ。
その生活を一時でも破ったということは、
(戦う必要性があったか、戦うことを余儀なくさせられる相手というわけか)
空の爆炎にざわめく周囲に、風間も変わりはない。
あの炎なら、バス一台程度は粉々に吹き飛ばせるというのに……
遠目に見えているだけとはいえ、その怖さを知らない現代日本の、なんと平和なことか。