† of Ogre~鬼の心理
(いや、平和だからこそ、私達も暮らしているのだけど)
私の買った服の紙袋を両腕に提げる風間が、言った。
「綺麗だねぇ」
と、なんとも間の抜けた、ズレのある言葉。
「やっぱりさ、なにかを糧に発生する現象って綺麗だよね」
「……」
一瞬、まさかまさかで、コイツはあの爆発がなんなのか知っているのかと思ったが、
「空気中の酸素を吸収してさ、花が咲いたみたいだ。うん、綺麗。僕、花火って好きだな」
彼はうわべ程度の理科的な話をしていただけだった。
しかも、あの爆発を花火と見るか。ますますもって、太いヤツだ。
「興味ないわ」
切り捨てて、止めてしまっていた足を動かす。
「それよりアナタの目的地ってまだなの?」
彼は、僕の用事は後回しでいいよ、とレディーファーストを気取り、私の買い物を先に済ませた。
そしてしたたかに、私を自分の用事に付き合わせようとしている。
私の買った服の紙袋を両腕に提げる風間が、言った。
「綺麗だねぇ」
と、なんとも間の抜けた、ズレのある言葉。
「やっぱりさ、なにかを糧に発生する現象って綺麗だよね」
「……」
一瞬、まさかまさかで、コイツはあの爆発がなんなのか知っているのかと思ったが、
「空気中の酸素を吸収してさ、花が咲いたみたいだ。うん、綺麗。僕、花火って好きだな」
彼はうわべ程度の理科的な話をしていただけだった。
しかも、あの爆発を花火と見るか。ますますもって、太いヤツだ。
「興味ないわ」
切り捨てて、止めてしまっていた足を動かす。
「それよりアナタの目的地ってまだなの?」
彼は、僕の用事は後回しでいいよ、とレディーファーストを気取り、私の買い物を先に済ませた。
そしてしたたかに、私を自分の用事に付き合わせようとしている。