† of Ogre~鬼の心理
仁と暮らしているせいか、ギブアンドテイクの理念が私にも少なからず根付いている。

義理立てに付き合ってやらないこともない。

ただ漠然とながら、彼の考え方も、気遣いも、逐一がヘンに私を刺激する。

簡潔に言おう。

コイツといると、チョウシがクルッテなんだかキモチワルイ。

「もうちょっと先だよ」

両腕の袋の重さにもこたえない風間の笑みを、私は直視しない。直視したくない。

――いや、できないだけかもしれない。

二歩分、私の先を歩く風間は、唐突に訊ねてきた。

「ねえ東城さん。生きてるってどういうことだと思う?」

「なぜ」

「いやね、いろいろ疑問でさ」

と、彼は苦笑する。

「今僕らは生きてるだろ? で、明日も今日と同じ感覚で生活する。昨日と今日の感覚を比べてみても、一日の行動が少し違うだけで、大した差はない。

だったら、太陽がわざわざ昇って落ちて、月と代わって、また次の朝が来ることだけで、僕らは生きてるってことになるのかな」
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