ハニー・トラップ ~甘い恋をもう一度~
でも今回は、それが良かったみたい。
私の甘えるような仕草に、今度は遼さんの動きが止まった。
「こんな時にそんな素直な反応見せられると、正直キツい……」
自照気味にフッと笑うと、私の身体の戒めを解いた。
かなり緊張していたのか、解放された私の身体に血が巡っていくのが分かる。
ガシガシと頭を掻きながら私から離れ、ソファーに深く座り込んだ。
「もう何もしないから、ここに座って」
自分の隣をポンポンと叩くと、もういつもの爽やかスマイル。
そろりそろりと遼さんの隣へ進んでいく。
「だから、もう何もしないって。警戒心解いてよ」
「警戒してる訳じゃないので……」
気にしないでと、遼さんの腕に自分の腕を絡めた。
「おっ!?」と、驚きを隠せない遼さん。
遼さんにからかわれてばかりじゃ、私だって面白くない。
この際だから、自分から“好き”をアピールしてみようじゃないのっ!
この行動が、功を奏するか……。
遼さんの顔を覗きこんで見てみる。
「あははっ、遼さんだって顔真っ赤じゃないっ!」
照れくさそうに鼻の頭を掻くと、額を小突かれてしまった。