ハニー・トラップ ~甘い恋をもう一度~

今日のランチは、遼さんオススメのイタリアンに決めていた。知り合いのお店らしく、朝一で電話を掛け予約した時間までは、まだ時間があるらしい。
その時間まで、またウィンドーショッピングをすることにした。

カフェでの出来事が効いたのか、店を出てからの私は絶好調。会話も弾み、楽しい時間を過ごしている。
すると、最近人気のあるウエディングドレスショップのショーウインドーが目に入る。
そこに飾ってある純白のウエディングドレスのデザインが、私の好みにドンピシャで、目が離せなくなってしまった。

「何? もう結婚したくなっちゃったとか?」

遼さんに突っ込まれて、我に返る。

「違う違うっ。素敵なデザインだなぁと思って」

「結婚しないんじゃなかったの?」

クスクス笑って、意地悪な質問をしてくる。
確かにね、一生ひとりでいいと思ってたよ。遼さんのことを好きになるまでは……。

「まぁこんな私でも一応女だから、ドレスには興味あるかなぁ。でも勘違いしないで。こう胸元が大きく開いて、デコルテラインが綺麗に見えるデザインが好きなの。け、結婚なんて、私には関係ないし……」

あんな質問してくるから、意地を張ってしまった。

「ふ~ん……、そうなんだ。このドレス、梓に似合いそうなんだけどなぁ~」

繋いでいた手を離し私を後ろから抱きしめると、肩に顎を乗せて人差し指でツーっと鎖骨をなぞる。
身体にゾクゾクとしたものが走り、声が出そうになるのを必死に抑えた。



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