ハニー・トラップ ~甘い恋をもう一度~
その後もしばらく枝里ちゃんと談笑していると、店の扉が重そうな音を立てて開いたのに気づく。
雅哉と挨拶を交わしているのは、間違いない……彼女、梓だ。
その声に、眼の前に座っている枝里ちゃんもきづいたみたいのか、俺の方をチラッと見ると、さっきと同様ウインクして見せた。
俺も声を出さず頷く。
そんな簡単なやり取りをしている間、彼女はゆっくりとこちらに近づいて来ていた。その顔は申し訳なさそうに歪んでいる。
「枝里ちゃん、お待たせ」
いつもとは明らかに違う声だ。その声で、許しを請うつもりなんだろう。
しかし枝里ちゃんときたら振り返りもせず、怒ってもいないのに無表情で返事を返す。
その光景があまりにも滑稽で、思わず吹き出しそうになってしまった。
一生懸命謝る彼女に一言、
「マスターこの店、お化けでもいるんじゃない? 悪い事したのか、さっきから謝ってるみたいだけど」
もう駄目だ。我慢も限界。
堪えきれず、笑ってしまった。
雅哉と挨拶を交わしているのは、間違いない……彼女、梓だ。
その声に、眼の前に座っている枝里ちゃんもきづいたみたいのか、俺の方をチラッと見ると、さっきと同様ウインクして見せた。
俺も声を出さず頷く。
そんな簡単なやり取りをしている間、彼女はゆっくりとこちらに近づいて来ていた。その顔は申し訳なさそうに歪んでいる。
「枝里ちゃん、お待たせ」
いつもとは明らかに違う声だ。その声で、許しを請うつもりなんだろう。
しかし枝里ちゃんときたら振り返りもせず、怒ってもいないのに無表情で返事を返す。
その光景があまりにも滑稽で、思わず吹き出しそうになってしまった。
一生懸命謝る彼女に一言、
「マスターこの店、お化けでもいるんじゃない? 悪い事したのか、さっきから謝ってるみたいだけど」
もう駄目だ。我慢も限界。
堪えきれず、笑ってしまった。