精神科に入院してきました。

9月15日　入院四日目


こんなところに閉じ込められて、ほとんど人と会話もなしに四日も過ぎてしまった。

　ただただ募るのは、さびしさ。

実家には犬がいた。かわいいかわいい、チワワが二匹。
今はそのチワワすら、私のそばにはいない。


みんないなくなった。

それが嫌だから死にたかったのに。


ああ。
なんで。


朝の薬を渡される前から、目覚めていたけれど、7時に朝の薬をもらったので、部屋から出てみた。
まだホールには誰もいない。

私はそこで、書き物をしながらなぜか泣いていた。

なぜかなんてもうわからない、涙がこぼれてくる、ただただそれだけ。
感情としては、ただただ寂しい、それだけ。



　人は常に、楽な道を選ぼうとする。
私は社会を憎んだ。社会すべてを抹殺することはできないから、自分が消えればいいと思っていた。


　あの日。四日前。
私は死か、入院だと思って首に帯をかけて飛び降りた。


今、精神科の閉鎖病棟に入院して、その二択が嫌になってさらに楽な三択めを取ろうとしている。
　つまり、放してくれ！！！！！！
私は断じて、狂ってなどいない。



　泣いていたら、看護師に声をかけられた。
私は悲しくなって、こたえた。
「とんでもないことをしてしまったなと思って……」
半分本音、半分は好印象を与えるための返事だった。
　もう死のうと思っていないから、だからだから早くここから出たい。
その一心。


看護師は、
「その気持ちがあるのはええことやけど、社会的に許されないことをしたのはわかってるよね？」
と聞いて去って行った。


　社会的に許されないこと。
他人を殺したり、殺しかけたら刑務所行き。
自分を殺しかけたら精神病院行き。
自分を殺したら……楽になれるのに、なんか不公平だ。



私はあふれる涙に耐えきれず、座っているのも苦しくなってふらふらと立ちあがった。