あのとき君は

「あっ！！」

千秋の後ろからとても可愛らしい男の子が声をかけてくれた。
千秋で隠れてしまっていたらしい。

「美月ちゃん…だよね？
僕、里崎翔太(ｻﾄｻﾞｷｼｮｳﾀ)！翔って呼んで！よろしくねっ！☆」


くっ、まぶしい～！
笑顔がましすぎるっ
アイドルのような完璧な笑顔が私に向けられ立ちくらみを覚えるほどだった。

自己紹介してくれたけど、私は翔くんを知っていた。
まあ、この学校で知らない人の方が少ないと思うけど…


さっきから周りの女子が騒がしいのも、きっとこの二人のせい。

千秋が爽やかで美形なのに対して、
翔くんはふんわりとして女の子見たいな顔立ちだ。
二人が通ると、女の子達から黄色い歓声が飛ぶ。


「美月ちゃん？聞いてる？」