あのとき君は
「あーら、翔。今日も可愛い可愛い笑顔を振りまいて、精が出るわねー?」


隣から、嫌みのこもった声が聞こえてきた。
声の主はもちろん栞知。


「あれ?栞知じゃん?
いつからそこにいたの?(ニコッ)」

す、すごい。
翔くんも、天使の笑顔で嫌みの倍返し…。


「最初からずっといたわよ!!
あー、背が小っちゃすぎて私の顔が目に入らなかったかしら?」

な、なんか、栞知のキャラ、いつもと違くないっ!?

「ち、小さいってゆうな!
いつか、栞知よりも大きくなってやるんだからな!!」


翔くんは、小さいって言われるのが、どうしても嫌みたいだ。


でも、確かに小さいな。
160は、あるとはおもうけど…

さっきだって、それほど大きくはない千秋にすっぽり隠れていた。


「ははっ。それは楽しみね。」


あ、そういえば…!


「二人は、栞知と翔くんは知り合いなの?」


…………………。



「「はっ!!?」」


二人の息がぴったりに重なった。

なんか、まずいこといったかな?


「あたし、美月に言ってなかったっけ?」


栞知に聞かれるが、何のことだかさっぱりわからない私はおずおずと頷く。





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