雨降って、血固まる。
ギンが人工呼吸器のスイッチに手を掛けようとした。



「待て」



私はギンの腕を掴んだ。



「私がやる」



ギンの手を引き下げると、今度は自分の手をスイッチに持っていく。



ここでもギンは何も言わない。



自分がやろうが私がやろうが、山崎静香が死ねばそれでいいと思っているのだろう。
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