雨降って、血固まる。
私の一言で、綾木はそれまで以上に興奮した。



私に触りたくてたまらないようだ。



飢えた獣。



こいつにとって女は性欲処理の道具でしかないのだろうが、なければ生きていけない。



あらゆる意味を統合すれば、こいつと私は同じだ。



なければ生きていけないものがある。



綾木は女。



私はギン。



生きがいを見つけられた者は苦しい。



それを護るために必死にならなければいけないのだから。



綾木、楽になれ。
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