雨降って、血固まる。
秋元は苦しそうに浜辺をのたうち回っている。



口元からは涎がとめどなく溢れていた。



額には青く浮き出た血管。



ヒュウヒュウと空気が漏れている音が聞こえる。



もっと楽に殺させればよかったと後悔しているのだろうか。



「あ…りが…と…」



後悔など微塵もしていなかった。



出来るだけ苦しめ。



そして、出来るだけ長く生きろ。



それがお前の望んだ事なのだから。
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