traitor
「じゃあさ、
僕は生きているの?
死んでいるの?.....」
とても凛とした、落ち着いた声だった。
”死んでいる”
きっとこう答えると宇深は目を瞑りながら思っていた。
「....生きている。
お前も、此処に居るこの子たちもみんな生きている。死んでなどいない」
「えっ....?」
「「えっ?」」
気づいたときには手遅れだった。
宇深はうっかり声を出してしまっていたのだ。
「あ、ごめんなさい」
「いや。みんなもう意識は戻っているはずだからな」
目を開けると低い声の主が居た。
50代前半と言ったところだろうか。
その人の声で周りの子も起き上がりだした。
それは、みんな10歳ぐらいの、
あたしと同じくらいの、
小さな子供たちだった。