traitor


深夜0時。


「ギ、ギ、ギィ――――
 ピィ―ガァ――――」

鳴るはずのない、あの壊れているはずの
古めかしいラジオからそれは聞こえた


「―――そうだ、嬉しいんだ生きる喜び
 たとえ、胸の傷が痛んでも♪」

愉快なマーチが。


でもそれを深夜の0時に聞くものなら
ただの恐怖のマーチでしかない


しかも今の時代。科学の進歩している今。
その曲は不気味な機械声に変わっていた


その不気味な歌声により、
ほとんどの人が目を覚ました


「な、なんだ?!」
「なんなの....」


それは瞬く間に悲鳴に変わる



もうすぐ開会式が始まる





< 35 / 42 >

この作品をシェア

pagetop