君がくれたモノ
「俺はいつも‥一人なんだ。家族も、大切な人もいない。辛くて本当に死にたかった。」

蒼はゆっくりと話始めた。
莉奈は何も言わずに蒼の話を聞いた。

「でも‥そんな時莉奈に出会った。この河原に来て目を閉じると莉奈と話ができた。なぜなのかは分からないけど、君と会話ができたんだ。」

河原‥?

莉奈は蒼が嘘をついているようには思えなかった。
蒼は莉奈の番号どころか、携帯の存在すら知らなかった。
そもそも携帯など使っていなかったのだ。

ただ目を閉じて話をしているだけ。

蒼はもしかして、別世界の人なのかもしれない。

そんな事を莉奈は考えていた。

「そんな寂しさから‥君が救ってくれたんだ。」

蒼の声は‥震えていた。
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