君がくれたモノ
蒼は莉奈に、初めて自分の話しをした。

なぜ莉奈と繋がったのか‥一体蒼はどこの誰なのか。

莉奈が気になっていた事を、蒼は話してくれた。



以前から蒼はこの河原が好きで、毎日来ている。
初めて莉奈と話をした日も、いつものように河原の芝生に寝転がり目を閉じていた。


蒼の今いる町は、【淋江】(りんえ)。
村と言ってもいい程の小さな町。
莉奈は咄嗟に「それ日本?」と聞いてみたが、蒼は日本と言う名前自体を知らないようだ。

莉奈は、本当に蒼は異世界の人間かも‥と思ったが口にはせず、蒼の話を聞く事にした。

4歳の頃に火事で両親を亡くした蒼は、親戚の人間にたらい回しにされたあげく、最後には子供のいない隣町の家の夫婦に貰われた。
それからの生活は、今思い出すだけで吐き気がする‥まさに犬以下。

それから毎日虐待が続き、地獄のような日々だった。
7歳の頃から虐待に耐え切れなくなってきた。
そして子供ながらに死を望み、何度も自殺を計った。
だが運悪く見つけられ、俺は死ぬ事も許されずそれから毎日こう言い聞かせられ育てられた。

「お前は俺達に生かせてもらってるんだ。」

もう俺は‥死を望む気力も残ってなかった。
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