君がくれたモノ
またいつもと同じ一日が始まる‥
莉奈が憂鬱な気持ちで教室に入ると、同じクラスの祐子が莉奈の所にかけよってきた。

「莉奈おはよ!ねーねー、桜と莉奈の元カレって付き合ってんの?」

朝から一番聞きたくない話題だ。

「え‥何で?」

苦笑いしながら、莉奈は祐子に聞いてみる。

「噂も流れてるけどさー、アタシ昨日二人が歩いてるの見たんだもん!
莉奈と桜って親友じゃん?よくやるよねー」

‥言葉がでない。

「莉奈‥?」

俯いたまま何も話さない莉奈を見て、気まずそうにしている。

「あっ!先生来たみたいだから‥」

祐子は助かったと言わんばかりに急いで自分の席に戻って行った。

いつもなら授業が始まるまでの間、桜と話をしているのだが‥
今日の桜は全く莉奈の所には来ない。

お昼になり、お弁当の時間に桜は莉奈の前に現れた。

「莉奈、ちょっと話したいんだけど。」

桜は怒っているような言い方でそう言い、莉奈の前の席に腰掛ける。

「最近さぁ、なんかアタシん事避けてない?
言いたい事あるならハッキリ言いなよー!」

桜は語尾を延ばすのが癖だ。

「別に‥避けてないよ。桜こそさ、アタシになんか隠してない?」

桜はふて腐れ、莉奈の顔も見ようとしない。
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