君がくれたモノ
「別に‥何も隠してないしー‥」

「光と会ってんの?‥それならさ、言ってくれてもいーじゃん」

とうとう言った。
今まで聞けずに苦しんだけど、今を逃すとまた聞けない気がした。

「わざわざぁ‥そんな事莉奈にいちいち報告しなきゃダメなの?」

そう言って、初めて桜は莉奈の目を見てきた。
二人の間に沈黙が続く‥
莉奈は耐え切れなくなり、かばんを持って走って教室を出た。

「莉奈っ!」

桜の声が一瞬聞こえた気がしたが、莉奈は止まらない。

親友だと思ってたのに!

その言葉が頭の中で繰り返す。

「助けて‥!蒼!!」

なぜか莉奈が一番に思い出したのは蒼だった。
走りながらそう叫んでいた。
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