君がくれたモノ
だが、そんな静かな夜は一瞬にして消し去られる事になる。


パリーンッ!


ガラスの割れる大きな音が、莉奈の部屋のすぐ近くでした。

「なっ‥何!?今の音!」

莉奈は突然の大きな音に驚き、蒼の顔を見た。

「蒼‥?」

‥しかし蒼は、いつもの優しい蒼の顔ではなくなっていた。
そして蒼は腰に挿した剣に手を延ばしている。
そんな蒼の姿を見て、莉奈は少し怖くなった。

「莉奈。この部屋から絶対出るな。」

蒼はそれだけを言い部屋を出ようとした。
何が起きたのかが全く理解できない。

「ど‥どういう事!?」

必死にそう問い掛けても、蒼にはもう届いていないようだった。

「莉奈は俺が守るから。」

蒼はそれだけを言い、部屋を出ていってしまった。

莉奈は蒼が腰の剣を握っていた事が気になっていた。


蒼は一体何をする気だろう‥


部屋から出るなとは言われたが‥莉奈は蒼の事が心配で、じっとしてはいられなくなり部屋を飛び出して行った。
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