君がくれたモノ
「莉奈?もー帰ってた?」

光とは違った優しい声をした男の子。
一体彼はどこの誰なのか、聞きたい事は山ほどあった。

だけど、いつも聞こうとするところで電話が切れてしまう‥

今日こそは聞きたい事全てを聞くと決めていた。
莉奈はベットから起き上がると、勢いに任せて聞いてみた。

「今帰ったとこだよ!‥てかさー、名前教えてくれない?呼びにくいんだよね」



聞くと決めてたとはいえ、急すぎたかな‥と莉奈は少し恥ずかしくなった。

「アハハ‥急だなー。そーいえば名前まだだったね。ゴメンゴメン!俺は蒼(そう)だよ。あおいって書いて蒼。」

蒼。
机の上に置いてある、開きっぱなしの手帳にペンを走らせる。

「蒼。キレーな名前だね!‥ねぇいつも5分もしないうちに切れちゃうけどさー‥今日は電波いい所にいる?」

「デン‥パ?何それ?」

蒼は本当に分からない感じだった。
初めて蒼と話した時から、莉奈はどこか蒼に対して違和感を覚えていた。
前に【#1】に関して聞いた時も、蒼は莉奈が何の話をしているのか本当に分かっていなかった。
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