君がくれたモノ
「俺と蒼、何があったか聞きたい?親友だった奴を殺したいほど憎んでる理由を‥」

莉奈は聞きたかった。
でも本当の事を聞いてしまうのが怖い気もする。

「今から3年前だったかな‥」

そんな莉奈の思いを遮るのかように、令は話しを始めた。




莉奈‥一体どこに行ったんだ!茜さんの所から出て一体どこへ‥!


剣の修理が終わり茜の店に戻ると、そこに莉奈はいなかった。
蒼は町を駆け回り莉奈を捜した。町中の店にも莉奈を訪ねて声をかけたが見つからない。
なぜか胸騒ぎがし、一人にした事を後悔した。

「誰かいますか!」

一軒の雑貨屋に蒼は声をかけた。
中から大きな男が、何かに怯えた顔でゆっくりと現れ、蒼だと分かった瞬間慌てて頭を下げた。

「そ‥蒼様!!蒼様がお一人こんな所で‥どうかされましたか?」

この国の王である蒼が、普段一人で町を歩く事などまずないのだ。

「人を探してます。髪の長い、17歳の女性なんですが。」

王として、冷静に話さなければならない。そう思いながらも蒼は焦る。
蒼が聞くと同時に、男は体を震わせ落ち着きをなくし、動揺した様子を見せた。

「ついさっき‥そこで指輪を見られてました‥」

「指輪を?」

男は何かに怯えていた。
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