君がくれたモノ
嫉妬、妬み、寂しさ‥
全てが入り交じっているような気になった。

「‥それだったらとっくに蒼は令を殺してるよ」


グッ!!


突然令は莉奈の首を掴んだ。

「苦し‥やめ‥」

「俺はもう後には引けないんだ!」

令は涙を流しながら、莉奈の首を締める力が強くなる。

「れ‥い‥苦し‥」

莉奈の意識が遠退いてゆく。


蒼を信じて令‥
まだ‥遅くないよ?だって親友なんでしょ?


心の中で必死に問い掛けた。
意識がなくなりかけた暗闇の中で、蒼の声が微かに聞こえた気がした。


‥莉奈‥


蒼‥もうアタシ死ぬのかな?
アタシも桜を信じなかったから‥罰だね。
ゴメンね‥桜‥


意識がなくなる直前で、急に呼吸ができるようになった。
令が莉奈の首から手を離したのだ。
莉奈は意識が戻ったのと同時に激しく咳込んだ。

「莉奈!」

幻覚だと思った蒼の声がまた聞こえる。
咳込みながら顔をあげると、いるはずのない蒼がすぐそこに立っていた。


「遅くなってごめん‥莉奈」


蒼のその声を聞いた瞬間、安心感に包まれ涙が止まらなくなる。
隣にいる令が震えているのが少しだけ莉奈の視界に入った。
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