君がくれたモノ
「蒼はさ、何でアタシの番号知ってんの」

5日前、初めて蒼からかかってきた時はイタズラ電話かと思った。
【#1】の番号、おもしろ半分に莉奈は蒼の相手をしていた。
桜と光の事が浮かんだ時は、蒼に八つ当たりもした。
しかし蒼は、莉奈の話をいつも黙って聞いてくれる。


彼は一体何者なのか‥


「番号?ゴメン‥莉奈の言っている意味がよくわかんない。ただ俺は、頭の中で誰かと話したいって思った時に、莉奈に繋がったんだよ」


頭の中で‥?


莉奈は蒼の言っている意味がよくわからない。
からかわれているのか‥

「今日は寒いな‥雪が降ってきた。本格的に冬がきたみたいだ」

「ゆ‥雪!?」

莉奈は思わず声をあげてしまう。
今は4月。まだまだ寒い日はあるものの、雪はないだろう。

「今‥4月だよ?雪はないでしょ」

莉奈は笑いながら蒼に言う。

「こっちは11月だよ。最近は井戸の水が冷たくて‥」

莉奈の頭が混乱する。
やはりからかわれてるのか‥

「井戸って‥今時そんなの田舎にしかないじゃん。蒼、からかってんの?」

徐々に怒りが込み上げる。
【#1】の番号、やはり莉奈はからかわれていたのか。
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