君がくれたモノ

君がくれたモノ

どれだけ眠っていたのか‥
全身が痛い。

莉奈は手に温もりを感じて目を覚ました。


気を失っていたのかな‥?


よくわからない。

「莉奈!!桜だよ‥!」

「桜‥?」

目を開けると、白いカーテンが揺れているのが目に入った。


帰って来たんだ‥


桜は莉奈の手を握りしめていた。

「ごめん‥ごめんね莉奈‥!光とは私何でもないんだよぉ‥」

桜は力強く莉奈の手を握った。

謝るのは私なんだよ桜‥

「光の友達が、莉奈の事好きみたいで‥莉奈に内緒でそのコと会わせる計画立ててたんだよ‥」


ほら‥私はバカだ。

「桜‥私ね‥」

まともに桜の顔さえ見られない。
莉奈の視界が涙でぼやける。

「桜が取られたって‥悲しかったんだ。ごめんなさい‥桜」

「莉奈‥」

薬の臭いがする。
桜の話しによると、莉奈は学校近くの川の堤防で倒れていたそうだ。

意識が戻らず病院に運び込まれたが、莉奈の親は一度来たがすぐに帰り、桜がずっと付き添ってくれた。

蒼といる時、桜の声がした‥桜にも莉奈の声が聞こえていたようだ。

「‥ほっといてって莉奈に言われてさぁ、ほっとけるか!って一人でツッコンじゃった」

あとになって桜は笑いながらそう言った。
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