君がくれたモノ
桜と光が並んで歩いているのを見たあの日以来、莉奈の心の中はぽっかり穴が開いたような感じだった。

それは桜に光を取られたというよりも、光に親友を取られたような‥
そして桜に裏切られたような寂しさで、心が押し潰されそうだった。

今の莉奈にとって蒼は、唯一の味方になっていた。
だから‥蒼を信じたかった。

「蒼‥さっきはゴメン。電話くれてアリガト」

小さな声で莉奈は電話の先にいる蒼に話かけた。
そんな莉奈に蒼は優しく声をかける。

「俺こそ‥莉奈を傷つけたなら本当にごめん。
俺は莉奈と話がしたいんだ。ただ‥それだけなんだ」

素直な蒼の言葉が、莉奈の胸を打った。
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