ヲタクの何が悪い!

「佐和子がヲタクってことを知らない男子達は可哀相だよね。」

「もう山サン笑わないでよ!私が可哀相なんだよ!?今期アニメ全く見れてないんだから」

「仕方ない、佐和子が可愛いのが悪い」

「じゃあ私不細工になるっ」

「阿呆」

 山サンは私のことを知っている先輩。違う学校に通ってて、大人で、頼りになる人!中学時代、部活でお世話になってたからすっごく仲良しです。

「てか、録画したら良いじゃん、アニメ。」

「リアルタイムで見たいのよう!」

 私がぷくっと頬を膨らますと山サンは頬をつんとつついた。山サンは、どこかの王子様みたいに格好イイ。中身は少し腹黒い、らしい。私は山サンの腹黒いところを見たことがないからわかんないけど。


「山サン、つつくの駄目ー」
「ええ~楽しいのに」
「どこがですか」

 ニコニコ笑う山サンには敵わない。中学の時からわかっていること。私がこれはだめって言っても面白いから、とか楽しいからとかって理由をつけて飽きるまで黙々とやり続ける。私ははぁ、と膨らましていた頬を治してため息をついた。
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