あの時の約束
「体操服、スーパーの袋に入れてて良かった」
「奥で着替えてくれる」



「連絡とれません」
「船酔いして事故って無かったら良いけど」
「そうですね!」
「探しましょう」
「はい」



「真衣どうしたの?」
「無いの!佳龍からもらった、熊のマスコット人形が」
「えっ」
「鞄に付けてたのに」
「真衣どうしたの?」
「真衣が大切な熊のマスコット人形落としちゃたの」
「俺も探すよ」
「うん」



「無いね。岩にぶつかった場所らへも無いし」
「後は海の中か船に乗った時かな…」
「海じゃあ無いと思うよ」
「じゃあ船に乗った時か」
「後で先生に聞こう」
「うん」



「携帯大丈夫〜でも圏外」
「友達に知らせれない」
「夕日が傾きそう」



「暗くなってからの捜索危険だ。一旦引き上げよう」
「はい」

「真衣達大丈夫かな?」
「無事でいって」

「警察も捜索して居るんだて」
「そりゃそうでしょ。高校五人と大人一人行方不明なんだよ!」
「そうだよね」

「暗くなって来た」
「どうなるの?」

「真衣大丈夫?顔色悪いよ!」
「怖いの。誰とも連絡とれ無いから」
「佳龍、震えて居る」
「真衣大丈夫?対人ストレスじゃあ無いし…」
「真衣なんかあったん?」
「怜時気楽過ぎ」
「ごめん」
「きっと不安から来てる」
「何が?」
「怜時、真衣は対人ストレスや不安があったら震えるの」
佳龍は抱き締め、頭を撫で撫でした。
「真衣大丈夫だよ。俺が側に居るよ」涙まで出て来た。「真衣大丈夫!きっと助かるから。泣かないで」
「佳龍」
佳龍はハンカチを取り出して涙を拭いた。
「真衣大丈夫?」
「ちょっと落ち着いたみたい」
「真衣大丈夫だよ!みんなが側に居るから!」
「初音、ありがとう」
「真衣安心して寝ちった」
「それに眠いね。ちょっとでも寝よう」
「うん」

真衣大丈夫だよ!
俺真衣に言った覚えてる?
俺真衣を守りたい。一生守りたいて。
だから守るよ!
俺が真衣を守る。絶対に守る。
真衣と約束するよ!
これからもずっとずっと真衣を守るよ!

真衣は目を覚ました。目の前に佳龍がいた。
佳龍が笑顔で「大丈夫」と聞いた。
「大丈夫だよ」
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