あの時の約束

距離感

「真衣はやっぱり介護関係の仕事がしたいの?」
「うん」
「頑張って」
「うん佳龍も頑張れよ」
「うん」


「小説が本になるの?」
「まあね」
「凄いじゃん」
「そうかな…」
「うん」
「ありがとう!」
「俺は本買うよ」
「えっ」
「俺は向日葵のファンだから」
「ありがとう!」


「携帯小説、高校生の部でベストセラーです。向日葵さん」
「えっ本当ですか?」
「はい」
嘘でしょ?私の小説がベストセラー?
本当に嬉しい。
「これからも頑張ってください」
「はい」



「真衣ベストセラーおめでとう」
「ありがとう」
「やっぱり真衣は凄いや!俺も俳優に向けて頑張らないと」
「頑張って佳龍。私応援してるよ!」
「ありがとう!真衣。俺のファンの子見たい」
「そうかな」
「うん」
「じゃあさぁいつか私小説を演じてほしいなぁ」
「真衣の小説を演じれる俳優になるよ」
「えっ」
「約束する!」
「うん」
やり直したおかげで距離が縮まった。
距離感が縮まった。あの時の距離感より今の距離感が好き。

「真衣携帯小説のベストセラーの小説買った?」
「うん買ったよ」
「やっぱり買うよねぇ」
「真衣携帯小説好きだもんね」
「うん!大好き!」
「良いなぁ〜。私なんて買いにいったら売り切れだよ!」
「それは残念。一つあげる!」
「良いの?」
「うん!間違ってお母さんが買って来たの!」
「マジでありがとう!」
「めちゃめちゃ読みたかったの」
「あれ原田君なに読んでるの?」
カバーを外して見せた。
「これて向日葵のベストセラー作品じゃん」
「そうだよ!俺向日葵の大ファンなんだ」
「私もファンだよ!」
「向日葵の小説良いよね」
「うん!」
佳龍との秘密。私が向日葵だって事。
でもいつか皆に知れわたるだろう。



「真衣〜聞いてる?」
「なんの話だったけ」
「やっぱり知らないんだ!」
「なにが?」
「佳龍から聞いて無いんだ!」
「なんの話?教えて」
「原田君さぁ…あれらしいよ」
「えっ何?何?」
「原田君大学行くらしいよ」
「えっ」
「それも専門学校に行くらしいから」
マジで?聞いて無いよ?
夢叶える為に専門学校に行くんだ。
きっとそうだよ!
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