あの時の約束
大人の第一歩
「真衣起きなさい。朝よ」
私は目を開けた。
「おはよう」
「真衣おはよう」
「まだ仕事休みなんでしょ」
「うん」
「真衣、お姉ちゃんオーディションに居て来るね」
「未空お姉ちゃん頑張ってね」
「うん」
「あ、朝ご飯机に置いて居るから」
「うん」
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
「小説を書こう」
ノートパソコンを開け電源を入れた。
日本小説大賞に作品を出すのだ。
だから小説を書いて居る。うまく行けば映画化する。
目指すは大賞。
未空お姉ちゃんも佳龍も頑張っている。
だから私も頑張る。
「空気の入れ替えしょ」
強い風が吹いていた。
「きゃー」
桜ね花びらが家に入って来た。
手の甲に乗った。
「綺麗」
私は佳龍と付き合っていた頃の記憶が読み換えた。
佳龍と付き合ってた時も春だった。
懐かしい。あれから一年経った。いや一年半ぐらいかな?だってやり直した月を足したらそれぐらいかな。
たぶん。
懐かしい。あの時は何も判っていなかった。
人生をやり直した事。東京に来た事。
修学旅行で佳龍と流れ星を見た事。楽しかった。
そう思いながら窓を閉めた。
椅子に座って小説書き始めた。
なんか眠いな〜。
「ただいま〜真衣?居ないの?」
「小説を書いて居る時に寝てしまったのねぇ〜」
毛布を掛けてあげった。
「休みでも働くね。私も頑張らないと」
「お帰り、未空お姉ちゃん」
「あら?起こしちゃた?」
「大丈夫だよ〜」
「それなら良かった」
「晩ご飯何するの?」
「何にしょうかな」
「材料何があるの?」
パソコンを打ちながら聞いた。
「人参、玉葱、ジャガ芋、お肉かな。後カレー粉、シチュー粉。漬け物、卵」
「じゃあカレーかシチューのどちかにしょう」
「カレー粉の方が消費期限が近いからカレーにしょう」
「了解。作るの手伝うよ」
パソコンを閉じて言った。
「ありがとう」
「今回のは小説の何系はなの?」
「ラブストーリーかな〜(笑)」
「真衣、ラブストーリー好きだね」
「だって他の話考えても恋愛系に行っちゃうんだ」
「話の内容は?」
「それは…秘密。出来たら一番に見せるから」
「ちょっとだけ」
「ちょっと