雨、ときどきセンセイ。
卒業までの数日間
*
青天の下に、私はいた。
「……ああ、でもさすが2月半ば。寒い……」
そう呟いて。
肩を上げて襟元を立てる。
「だったら外に出なきゃいいだろ」
呆れたような声に振り向くと、視界に缶が入ってきて驚いた。
それを反射的に受け取ると、冷たい手に温もりを感じた。
「だって、天気いいから」
両手で缶を包みこんで空を仰いだ。
どかっと横に腰を降ろした相手は、プシッと音を立ててプルトップを開けた。
そして私と同じ角度くらい頭を上げて喉を鳴らす。
「え。コンポタ?」
「昼飯がパンだから合うだろ」
「コーヒーとか飲みそうなのに」
「好きなんだ。悪いか」
不意に目に入った隣の手の中のものがコンポタージュだったのに驚いて笑ってしまった。
「あ、でも私のはちゃんとコーヒーだ」
さっき受け取った缶をもう一度確かめて見てみると、それはホットコーヒーで。
「吉井、文句いいそうだからな」
そう言ってガサリと隣からパンの袋を開ける音が聞こえた。
青天の下に、私はいた。
「……ああ、でもさすが2月半ば。寒い……」
そう呟いて。
肩を上げて襟元を立てる。
「だったら外に出なきゃいいだろ」
呆れたような声に振り向くと、視界に缶が入ってきて驚いた。
それを反射的に受け取ると、冷たい手に温もりを感じた。
「だって、天気いいから」
両手で缶を包みこんで空を仰いだ。
どかっと横に腰を降ろした相手は、プシッと音を立ててプルトップを開けた。
そして私と同じ角度くらい頭を上げて喉を鳴らす。
「え。コンポタ?」
「昼飯がパンだから合うだろ」
「コーヒーとか飲みそうなのに」
「好きなんだ。悪いか」
不意に目に入った隣の手の中のものがコンポタージュだったのに驚いて笑ってしまった。
「あ、でも私のはちゃんとコーヒーだ」
さっき受け取った缶をもう一度確かめて見てみると、それはホットコーヒーで。
「吉井、文句いいそうだからな」
そう言ってガサリと隣からパンの袋を開ける音が聞こえた。