雨、ときどきセンセイ。
雨、ときどき好きな人。
*
再び、しんと静まり返った音楽室には二人きりになった。
「アイツもなかなかしつこそうなやつだな」
センセイがぽつりと言った。
『なんかあったらすぐ言えよ。そん時は一発やってやる。卒業したから停学とか関係ないしな』
水越は最後にそんな嫌みを笑ってセンセイに言うと、音楽室を出て行った。
でも、今『アイツも』って……。
その言い回しに、私はチラッとセンセイを見上げる。
センセイは目を細めて私を見ると、意地悪く言う。
「吉井と、同じ」
……やっぱり‼
どーせ、『しつこい』って思ってるんだってわかってたし!
大体センセイ、自分もそうだったって言ってなかった⁈
赤いままの頬を膨らませてそう思った。
「……ぶっ!」
膨らませた頬は一瞬で、大きな手に潰された。両頬を挟むようにされた私は上手く発音出来ない。
だけど、懸命に言葉を投げかける。
「ひょ、ひょっお!(ちょ、ちょっと!)」
「……職員室から外、見てみても居ないし」
「へ……?」
「まさか、と思ってここに戻れば、話し声が聞こえるし」
センセイ、ちょっと……怒ってる?
私は驚いたまま、センセイを黙って見上げてた。
「……さっき俺がここに入る直前、水越が言ってた『それを言うため』ってなに?」
私はそんなこと話していたことすら忘れていたのに。
センセイは頬にあった手を離して私を見つめて答えを求めてる。
あ。
不意に思った。
センセイは怒ってるんじゃなくて、もしかして……。
「や、妬いて……ます? か……」
まさか、あのセンセイが。
という気もするし、自信なさげにしか言えなかった。
その私の質問に、何も言わないセンセイをチラッと見てみる。
けど、センセイは特に表情が変わったようにも見えなくて、なんだか私の勘違いだったのか、と恥ずかしい思いになる。
もう……!
センセイ、何か言ってよ。
こんなんじゃ、ただの自惚れた恥ずかしいイタイ女子じゃない……!
再び、しんと静まり返った音楽室には二人きりになった。
「アイツもなかなかしつこそうなやつだな」
センセイがぽつりと言った。
『なんかあったらすぐ言えよ。そん時は一発やってやる。卒業したから停学とか関係ないしな』
水越は最後にそんな嫌みを笑ってセンセイに言うと、音楽室を出て行った。
でも、今『アイツも』って……。
その言い回しに、私はチラッとセンセイを見上げる。
センセイは目を細めて私を見ると、意地悪く言う。
「吉井と、同じ」
……やっぱり‼
どーせ、『しつこい』って思ってるんだってわかってたし!
大体センセイ、自分もそうだったって言ってなかった⁈
赤いままの頬を膨らませてそう思った。
「……ぶっ!」
膨らませた頬は一瞬で、大きな手に潰された。両頬を挟むようにされた私は上手く発音出来ない。
だけど、懸命に言葉を投げかける。
「ひょ、ひょっお!(ちょ、ちょっと!)」
「……職員室から外、見てみても居ないし」
「へ……?」
「まさか、と思ってここに戻れば、話し声が聞こえるし」
センセイ、ちょっと……怒ってる?
私は驚いたまま、センセイを黙って見上げてた。
「……さっき俺がここに入る直前、水越が言ってた『それを言うため』ってなに?」
私はそんなこと話していたことすら忘れていたのに。
センセイは頬にあった手を離して私を見つめて答えを求めてる。
あ。
不意に思った。
センセイは怒ってるんじゃなくて、もしかして……。
「や、妬いて……ます? か……」
まさか、あのセンセイが。
という気もするし、自信なさげにしか言えなかった。
その私の質問に、何も言わないセンセイをチラッと見てみる。
けど、センセイは特に表情が変わったようにも見えなくて、なんだか私の勘違いだったのか、と恥ずかしい思いになる。
もう……!
センセイ、何か言ってよ。
こんなんじゃ、ただの自惚れた恥ずかしいイタイ女子じゃない……!