雨、ときどきセンセイ。
ガラリと音を立ててその仕切られたドアから廊下へ出ると、少しひんやりとした空気が肌に触れる。
さっきのまでのことが忘れられない。
センセイを呼び止めた廊下を見つめる。
あのときは助け船を出してくれた……多分。
けど、そのあと職員室では至って普通で―――別に特別扱いされてる訳じゃなかった。
そして、大人で魅力的な香川先生。
ああいうちょっと繊細っぽい人が、好きなのかな。
もしかして、香川先生は真山センセイに気があったりするのかな。
それとも、もう二人はそういう関係…?
丁度予鈴がその場に鳴り始めると、私はハッと我に返って辺りを見回す。
周りもばたばたと教室に戻る光景を見て、慌てて自分の教室に駆け出した。