雨、ときどきセンセイ。
*
6限目の終わりを知らせるチャイムが鳴った。
それから数分後、センセイが教室に来て、挨拶を済まして一日が終わる。
私は遠くからセンセイを見るだけで、何も話すことが出来ないままにセンセイは教室から出て行ってしまった。
「梨乃! 帰れる?」
ボーッとその場に立ち尽くしたままの私にみっちゃんが近付き声を掛けて来た。
私はみっちゃんの方を振り向く前に、少し考えて答える。
「ごめん! 今日ちょっと寄り道するから、先帰ってて?」
「そうなの? じゃあまた明日ね!」
「うん。明日」
そうして私はみっちゃんを見送って教室に残った。
どこかで時間を潰して、またあの場所へ行くために。
私は机を下げて鞄を手にすると、ふらりと非常階段の方へと向かって歩いた。
何をこれ以上言おうとしてるのか。
それは自分でもわからない。
けど、今日は正直これ以上近づく勇気がないかもしれない。
あのプリントの走り書きは、思い切ったもので、あの時の自分の精一杯だったから。
『メンドーってどういう意味?』
『そのままの意味』
そう短く告られた答えは、意外に深く傷を負ってる。
あの答えは、私を拒否してるんだよね?
もう近付くなって遠回しに言ってるって考えるのが自然だよね。
そう思い、傷付きながらも、私の足はどこへ向かってるの…?
6限目の終わりを知らせるチャイムが鳴った。
それから数分後、センセイが教室に来て、挨拶を済まして一日が終わる。
私は遠くからセンセイを見るだけで、何も話すことが出来ないままにセンセイは教室から出て行ってしまった。
「梨乃! 帰れる?」
ボーッとその場に立ち尽くしたままの私にみっちゃんが近付き声を掛けて来た。
私はみっちゃんの方を振り向く前に、少し考えて答える。
「ごめん! 今日ちょっと寄り道するから、先帰ってて?」
「そうなの? じゃあまた明日ね!」
「うん。明日」
そうして私はみっちゃんを見送って教室に残った。
どこかで時間を潰して、またあの場所へ行くために。
私は机を下げて鞄を手にすると、ふらりと非常階段の方へと向かって歩いた。
何をこれ以上言おうとしてるのか。
それは自分でもわからない。
けど、今日は正直これ以上近づく勇気がないかもしれない。
あのプリントの走り書きは、思い切ったもので、あの時の自分の精一杯だったから。
『メンドーってどういう意味?』
『そのままの意味』
そう短く告られた答えは、意外に深く傷を負ってる。
あの答えは、私を拒否してるんだよね?
もう近付くなって遠回しに言ってるって考えるのが自然だよね。
そう思い、傷付きながらも、私の足はどこへ向かってるの…?