雨、ときどきセンセイ。

【ちょっと! 気になって授業に集中出来ないよ(>_<)】


1限目の初めに、そんなメールが届いた。

結局朝は時間もギリギリだったし、そんな要約してすらすら話せる程の内容でも話術もないし。

「休み時間ね」と、朝約束して今に至るのだけど…。

ちらりと斜め後方を覗き見ると、痛い程のみっちゃんの視線とぶつかった。


幸いあまり歩きまわらない先生の授業だけど…。


それでも授業中に携帯をいじるのは緊張するもの。
私はドキドキと、周りに怪しまれないようにしながら、机の中で携帯を覗かせて返信する。


【もう! 休み時間まで待って! メールでなんか説明しきれないよ】


【送信しました】という画面を確認して、再度黒板に集中する…フリをする。

カツカツとリズミカルに響くチョークの音。

あぁ。この先生は本当に筆圧が強いなぁ…。

なんてなんとなく思ってみては、板書を急ぐ。


すると、早くも携帯が振動して、書き始めたノートに折れたシャープペンの芯が転がった。


【えぇ~(T_T)わかりましたぁ】


そのメールを見て、一先ずホッとした。

気付けばギリギリの所まで黒板の内容が消されかけていて、焦ってペンを走らせる。


…センセイなら、周りの様子見てから消すのにな。


そんなことを無意識に思って、授業が終わった。


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