† of Ｐupil～瞳の魔力

家の前で車から降りた僕は、最後に、と呼び止められた。

「今日、流れで君が人間じゃないっていうことを知ってしまったよね。そのことは、できればご家族には話さないほうがいいかもしれない」

「なんでですか？」

「ほんと、君は創造力を鍛えたほうがいいかもしれないね。考えてもみなよ？　今まで教えられなかったってことは、ひょっとしたら、ずっと教えたくなかったってことだよ。それはご家族にとって幸か不幸かわかんないんだから、黙っておいたほうが無難じゃないかな？」

「……」

「そしてもしも逆に、教えられなかったんじゃなくて、ご家族すら三つ目のことを知らないのだったら、言ってはなんだけど、こんなことを突然息子から暴露されたらそれはそれはショックだよ。だから今日知ったことは、君の胸のうちに秘めておいたほうがいい」

たし、かに。そうだと思った。