† of Pupil~瞳の魔力
「姉さん――その鈴を鳴らすの、やめてよ」
「……」
ちりん。ちりん。けれど、彼女はやめない。ちりん。
「わかってないの、賢一は」
ちりん。負荷が。ちりん。強まる。床に突く腕がガタガタ震える。ちりん。
「わかってない。人あらざるということの大変さを。それを教えずにすむのなら、そのままでいようと思う人の気持ちを。わかってない。意味を知らない、六条の。それは危険なの、一歩間違えば」
ちりん。背中が。ちりん。曲がる。
「危ういの、六つの条を手繰る血は。賢一、お願い。留まって、今ここに」
ちりん。息が。ちりん。苦しい。
それでも、
「できないよ、姉さん」
僕は顔をあげた。ひたいに意識を集中させて、第三の目を開いた。
姉さんの表情が曇る。
やってしまった、という、静かな叱責の眼差しだ。
ちりり。と、姉さんの意識とは関係なく震えた腕の先で、鈴が泣いた。
苦笑する。
「これは、そんなにもいけないことなのかな?」
「……」
「どうなのさ?」
「……」
ちりん。ちりん。けれど、彼女はやめない。ちりん。
「わかってないの、賢一は」
ちりん。負荷が。ちりん。強まる。床に突く腕がガタガタ震える。ちりん。
「わかってない。人あらざるということの大変さを。それを教えずにすむのなら、そのままでいようと思う人の気持ちを。わかってない。意味を知らない、六条の。それは危険なの、一歩間違えば」
ちりん。背中が。ちりん。曲がる。
「危ういの、六つの条を手繰る血は。賢一、お願い。留まって、今ここに」
ちりん。息が。ちりん。苦しい。
それでも、
「できないよ、姉さん」
僕は顔をあげた。ひたいに意識を集中させて、第三の目を開いた。
姉さんの表情が曇る。
やってしまった、という、静かな叱責の眼差しだ。
ちりり。と、姉さんの意識とは関係なく震えた腕の先で、鈴が泣いた。
苦笑する。
「これは、そんなにもいけないことなのかな?」
「……」
「どうなのさ?」