† of Pupil~瞳の魔力
絶対、それ以上、もっとたくさんの質問を投げ掛けたかったんだろうけど、本当に、それだけを言うのが精一杯のようだ。
そんなにまでして、僕に言いたいのか。彼女の気持ちの大きさを、痛感した。
彼女は僕の大切な幼馴染みだから、なおさらに。
「一二三さん、僕は幹に話があるんだ。幹を自由にしてやってよ。一二三さんなんだろ、幹を縛ってるの」
「……」
言ってみたものの、炎をまとう彼女は、まったくの無反応だ。
まるで初めて逢った時のように冷たく、淡白な表情で、なにも答えてくれない。
そのひたいに輝くのは、僕と同じ。
そういえばさっき、幹が言っていた。
天使の火を血に吸収したって。……ということは僕の瞳も、彼女は?
なら――
「幹、待ってて」
一二三さんの瞳がかけた呪縛なら、僕の瞳でも解除できるはずだ。
双眸を閉じて、ひたいに意識を集中する。
今日これで、何度目の開眼だろう。こんなに何度も、頻繁に『目』を使ったことはない。
だけど、疲れるだとか、恐れるだとかはない。
あるのは、文字通りの開眼意識。
僕が僕を見つめていく、認識していく、自己定義の発見だ。
そんなにまでして、僕に言いたいのか。彼女の気持ちの大きさを、痛感した。
彼女は僕の大切な幼馴染みだから、なおさらに。
「一二三さん、僕は幹に話があるんだ。幹を自由にしてやってよ。一二三さんなんだろ、幹を縛ってるの」
「……」
言ってみたものの、炎をまとう彼女は、まったくの無反応だ。
まるで初めて逢った時のように冷たく、淡白な表情で、なにも答えてくれない。
そのひたいに輝くのは、僕と同じ。
そういえばさっき、幹が言っていた。
天使の火を血に吸収したって。……ということは僕の瞳も、彼女は?
なら――
「幹、待ってて」
一二三さんの瞳がかけた呪縛なら、僕の瞳でも解除できるはずだ。
双眸を閉じて、ひたいに意識を集中する。
今日これで、何度目の開眼だろう。こんなに何度も、頻繁に『目』を使ったことはない。
だけど、疲れるだとか、恐れるだとかはない。
あるのは、文字通りの開眼意識。
僕が僕を見つめていく、認識していく、自己定義の発見だ。