† of Pupil~瞳の魔力
香澄姉さんは、静かに歩いていく。
僕も静かに続ける。
「それで一二三さんは僕に苛立ったと思う。だけどそれで苛立って、僕を気絶させるところまでにしておけばよかった。
考えてみれば、僕に手伝わせようってのも効率的じゃなかった。まあ結局、なんにも手伝う前に終わったんだけど……それでも、みんな中途半端だ。
一二三さんや幹がそうなら、僕も添う。好奇心や探求真は、いいところでやめておけばよかった。みんな揃って、やりたいこと、企てたことの半分までしかできなかった。
それなら最初から、半分で留めておけばよかったかなって話だよ」
「まあ、人の業なんだよ、それが」
「業?」
「そうだよ。知識の探求と一緒かな。今よりもっといい状況があるなら、それを望みたい。望むからには実行する。そういう心理が働くんじゃないかな。
で、利用するにしても、こうなればいいっていう望みを抱いてる。だから実行してしまう。結果がどちらに揺らぐか不確定なままでも」
「†……」
「え?」
突然、香澄姉さんが口を挟む。
僕も静かに続ける。
「それで一二三さんは僕に苛立ったと思う。だけどそれで苛立って、僕を気絶させるところまでにしておけばよかった。
考えてみれば、僕に手伝わせようってのも効率的じゃなかった。まあ結局、なんにも手伝う前に終わったんだけど……それでも、みんな中途半端だ。
一二三さんや幹がそうなら、僕も添う。好奇心や探求真は、いいところでやめておけばよかった。みんな揃って、やりたいこと、企てたことの半分までしかできなかった。
それなら最初から、半分で留めておけばよかったかなって話だよ」
「まあ、人の業なんだよ、それが」
「業?」
「そうだよ。知識の探求と一緒かな。今よりもっといい状況があるなら、それを望みたい。望むからには実行する。そういう心理が働くんじゃないかな。
で、利用するにしても、こうなればいいっていう望みを抱いてる。だから実行してしまう。結果がどちらに揺らぐか不確定なままでも」
「†……」
「え?」
突然、香澄姉さんが口を挟む。