† of Pupil~瞳の魔力
僕は、やっぱり彼女を殺してるんじゃないだろうか?

うん、きっとそうだ。そして彼女は、殺された恨みから、僕を睨むんだ。

でも、どうして生きているんだろう?

僕が彼女を殺したのなら、なぜ彼女は今朝僕の家に来れて、こうして会話しているのだろう。

意味がわからない。

わかるのは、

――う そ つ き――

唇だけ動かして、無音で繰り返された、彼女の言葉だけ。

僕はお手上げで、

「あー、うん、なにかある、なにかあるけど言わないよ」

わざとおどけることぐらいしか、できなかった。
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