† of Pupil~瞳の魔力
温故知新……そういう小難しいことは古きを知り、新しきを開拓し、経験して学んでいくしかないって教えてもらったことがある。

それを教えてくれた人はもう、この町にはいないけれど。



(僕はなにをすべきなのだろう)

そんなことを、窓の外を見ながら考えていたら、

「よし、じゃあ次の問題を――そこでぼさっとしとる六条、解いてみろ」

「ぁ……はい」

教師に指名された。

とりあえず僕は今、まだ十六年も使ってない頭であれやこれやを思いめぐらすより、

黒板に出ていって問題を解くべきなのだろう。

現実なんて、そんなものらしい。
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