† of Pupil~瞳の魔力
だけど、僕は臆するのを自分に禁じた。

「先に正直に言うけど、僕は君を殺した時の記憶がない。だから突っ込んだことは答えられないんだ。でも、僕が君を殺したのはわかった。――だけどさ……どうして、死んだはずの君は生きてるんだ?」

すると彼女は、瞠目した。

再び組まれていた腕が、若干の若干、脱力したように見える。

まるで人あらざるものでも目の当たりにしたように、その瞳が、僕を上からしたまで疑念で見据えた。

「――お前、まさか自分が、」

「それ以上は、必要ない」

唐突に、声がした。

しかも、明らかに僕らへ向けての、介入。

それも人というよりまるでダンプカーか猛獣、そういった、言葉を話せないものが発したような声だった。

とっさに振り向く――ことは、できなかった。

声が介入してきたこと、それが僕らへ向けられていることは、わかった。

のだけど、その声がいったいどこから伝わっているのか、感知できなかった。

まるで三百六十度同心円状、あらゆる方向から一切のズレもなく伝達されたような――あるいは、頭の中へ直接言葉をぶちこまれたような、得も言えぬ感覚。

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